FC2ブログ

Articles

欠点多き傑作




色々なところで絶賛されているこの作品ですが、
個人的には、行き当たりばったり感が強く、
物語上不要と思われる付け足しエピソードが
何度か挿入され、伏線と思いきや最後まで
理由不明な現象や人物の行動が残され、
章を追うごとに設定や人物やストーリーの
道筋が増えていき、何でもありになってしまう
展開が興醒めを誘うのが惜しい作品でした。



それらを減点対象としても、作者の神道、仏教、
また、それらの習合、分派よって生まれた
さまざまな宗教や土着信仰に
関する並ならぬ知識量と、それに関する
地球外知性体の存在を仮定しての斬新な
解釈と考察は大変興味深く、多くの人々に
とって一読の価値を持つものだと思います。
また、時代考証にも相当の情熱が注がれた
ものと見えて、とくに江戸期の一揆が多発した
時期の制度や、その問題点に関する提言と
警鐘は、経済の仕組みの一部を当時と同じくする
現代の我々にとっても一度は自分なりの主張を
見出せる程度には考えておくべきテーマを
含んでいます。

なにより

この作品にはエンターティメントに徹しようとする
さまざまな気配りが感じられました。
時間を置いて描かれる人物や事象に関しては
その都度説明が入り、読み手に分かりやすく
伝えようという配慮があり、エピソード毎に
なるべく興味を引きやすい描き方を心掛けて
いると感じられました。
そして特筆するべきは作者の文章作りの
力量です。
幾多の作品に登場した、ともすれば
ありきたりの、定型文による描写に陥って
しまいがちなシーンにおいても、そこに登場する人物
それぞれの固有の立場や心情を、文面に表す以前に
深く掘り下げて考え、そこに一人の人間としての
存在感を与えています。

僕を含め、物語の構成、起承転結、謎や伏線、そのヒントの提起
についてのルールブックがある程度確立されて以降の
作品を読み慣れた読者にとっては、欠点としてカウントされそうな
不備を多く抱えた作品ですが、その上でなお、僕が知る限り
稀有の訴求力と、テーマの深さ、普遍性を持った
作品として紹介します。


  ∩∩
 (,,・ x ・)補足するならば。
性的な描写が大変多いです。
エロ同人描きの僕が「ええ~、また~?」とウンザリしてしまう
くらいわんさか出てきます。
冒頭、序盤から最終章近くまで、物語上の必然性は
ある程度示されているにしても
お前、それ描きに行ってるだろ!
というくらい頻出しますので、苦手な方はご注意ください。

スポンサーサイト

ナイス配分


これで全シリーズ観終わってしまったかと
思うと寂しいですが、この作品が個人的には
ましまろ史上最高の一本であったことが
せめてもの救いです。
おそらく原作中の未消化ネタの中でも
秀逸なものを敢えて取って置き、ここへ
来て立て続けに使用したものと思われます。
全シリーズ中最も作画も安定していますし、
(encore01に引き続き
なほふとましきからだつきなれど)
特に間の取り方に関しては大変上手になっていて、
原作を読んだ時に皆さんが思い描かれた
テンポに一番近かったのではないかと思います。

そんな風に色々な采配が奏功した作品を
観終わってすぐに言うのもなんですが、
願わくばこの作品が有終の美を飾るものではなく、
新たな作品群のスタンダードとして示された物に
過ぎないのであれば、ファンにとってこれほど
幸福なことはありません。



  ∩∩
 (,,; x ;)9m僕は待っています!

Navigations, etc.

Navigations

プロフィール

黒卯 虎龍斎

  • Author:黒卯 虎龍斎
  • 愛と正義と真実の使者、黒卯 虎龍斎 ◆7kirYmVfh2 です








最近の記事

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

管理者ページ


FC2Ad

Template by Yuma's FC2ブログテンプレート